政策提言・時事問題リポート

2017/09/14

大学入試改革への対応とアクティブラーニング推進について

「アクティブラーニング」の取り組みについて、民間企業の方、行政の方と意見交換を行いました。
 このアクティブラーニングについて、改めて少し説明いたします。
 変化の激しいこれからの社会に対応できる人を育んでいくことを念頭に置いて、教育環境を向上させる不断の努力が必要であり、そこでは学びの量とともに学びの質や深まりを目指す取り組みが行われなくてはなりません。
 2012年8月の中教審の答申に「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて?生涯学び続け主体的に考える力を育成する大学へ」と記されたことをきっかけに、受け身ではなく、課題の解決に向け主体的・協働的に学ぶ、いわゆるアクティブラーニングへの転換が注目されてきました。
 さらには、2014年12月の「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」という中教審の答申の中でも、高校におけるアクティブラーニングについての言及がありました。
 ここでいう大学入試の改革として具体的にどう変わるのかというと、2021年度入試から、
① 高等学校基礎学力テストと大学入学希望者学力評価テストの2つの試験が導入される
② 大学入学希望者学力評価テストでは主に思考力・判断力・表現力が試される
③ 大学個別の選抜において主体性・多様性・協働性などを試せるように多面的・総合的な評価を行うようになる、
とされています。

 子どもたちが、何を知っているか、だけではなく、知っていることを使ってどのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか、という視点から、知識・技能・思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力や人間性など情意や態度等に関わる全てを、いかに総合的に育んでいくか、県教育委員会として大学入試への対応も念頭にしっかりと議論し、準備していかなくてはならないと思っています。
 現場の先生方にとっては、子どもに育成すべき資質・能力を整理し、実際に育成していくために何を学ぶかという指導内容を検討する、という大変大きな仕事になります。
 その方法として、他県の学校の取り組み、他の先生の授業を参考にするのも一つであろうかと思います。
 具体的には、電通やJTBといった大手民間企業もこの分野で様々な教育プログラムを提供し、教員の指導力向上、アクティブラーニングの実施に役立っています。これらの導入は、効果の早期発現につながります。
 また、過去の質問で、アンケートで「勉強が好きだ」、「勉強は大切だ」と答えた子どもの学力が高いのは想定の結果でありますが、「学校が好きだ」、「学校が楽しい」と答えた子どもも平均して学力が高いという調査結果に触れました。
 こういう環境をいかに創り出していくかは保護者や地域と一体となって、教育委員会、学校現場が努力していかなければならないと思います。