政策提言・時事問題リポート

2017/05/20

足利高校・足利女子高校に関する新聞記事について

本日の毎日新聞、東京新聞に、「足利高校・足利女子高校が統合検討」といった見出しの記事が掲載されました。
 この記事をご覧になって、驚かれた方も少なくないと思います。情報の在り方としては唐突であったと思います。


 県教育委員会は、2018年度から進める第2期高校再編計画で、6月の計画案を公表したいとして策定作業を進めています。公表後は、県内7地区において説明会やパブリックコメント等を通じての意見聴取を行い、秋に成案としたいと考えています。


 今回のことは、県教育委員会が県内の各市町を訪問し説明会を開催しているわけではなく、足利市からの要請で、足利市に出向いて説明会を行ったものです。


 我々県議会議員は、「足利市、足利市議会の足利高校OB議員、経済団体に対し、中学校卒業生徒数の推移・見込みや、市外・県外高校への進学者数の推移、等について、5月15日に説明会を行う」と聞いていました。
 しかし、18日に両校の同窓会に説明をする、などということは、残念ながら知りませんでした。地元議員として情けないという気持ちもあります。


 その後の県教育委員会からの報告・説明によりますと、「足利市より両校の同窓会にも説明会を開催してほしい、という要請があったので実施した」とのことでした。
 統合等も検討されている他市町の高校の同窓会に対して、このような説明会を行ったことはないそうです。


 確かに、学校の規模が縮小すれば、教員の配置基準から、専門科目の教員をそろえることが困難になり、進学校として期待される成果を挙げていくことは困難になる、という意見もあります。
 一方では、伝統校としてのこれまでの姿を守ってほしいという声もあります。
 様々な意見を集約していくには、じっくりと、十分な議論が必要なはずです。


 そして、このような現状を踏まえれば、情報管理の在り方には細心の注意を払う必要があると思います。  参加者からの質問に対し「選択肢の1つ」と答えた、としても、県教育委員会が発信した情報となれば、一部がクローズアップされてしまうことも予想されます。説明会に参加した個人からマスコミに情報が流れること、しかもそれが場合によっては正確性を欠いたり、公表するタイミングを誤ってしまったり、ということも想定されるはずです。
 こういう情報によって、現在、両校に通っている生徒や進学を考えている中学生、保護者の方々に、余計な不安を与えてしまいかねません。


 そもそも疑問なのは、なぜ、足利市が県教育委員会に対し、両校の同窓会に対する説明会を開催してくれ、と要請したか、です。順序を追って慎重に進めている、しかも6月に計画案を公表したいとしている、この時期に、どうして?というのが率直な意見です。
 説明を受けて、それでは足利市は今後どのように行動していこうとしているのでしょうか。
 これらの点については、足利市にしっかりとした説明を求めたいと思っています。


 一方、県教育委員会側とすれば、今回の報道を受けて、県内の各市町や統合等が検討されている高校の同窓会から、我々に対しても説明会を開催してくれ、という要請が相次いだら、どのように対応していくつもりなのでしょうか。足利市だけ、というわけにはいかないでしょう。こちらについても注視していかなければなりません。


 高校再編は県だけの問題ではありません。足利市も当事者です。どのような学校を目指すか、そのためには何が必要か、市や同窓会、地元企業等からどのような協力・支援をいただけるか、求めるか、等について、議論を深めていく必要があると思います。