政策提言・時事問題リポート

2014/04/16

教科書採択について

今年度は、小学校における教科用図書が 4年に 1度採択替えになる年度です。
その仕組みを簡単に申し上げます。


 民間の教科用図書発行者が「作成・編集」した教科用図書が、文部科学省の「検定」を経た上で、各都道府県あてに発行者からは見本本が、文部科学省からは教科用図書目録が、それぞれ送付されます。

 各都道府県教育委員会は、教科用図書選定審議会に諮問し、そして答申を受け、各市町教育委員会の教科用図書の採択事務に関する指導・助言または援助を行うことになります。

 つまり、発行者から県教育委員会に送付された見本本すべてについて、教科用図書選定審議会が調査研究を行い、県教育委員会はその結果 ( =教科用図書の調査研究資料等 ) を各市町教育委員会に送付する、そしてこの調査研究資料等に基づき市町教育委員会が採択する教科書を決定する、ということになります。


 県の役割の中で重要なのは、県が諮問する教科用図書選定審議会が調査研究を行う際のポイント=観点の設定です。県としてどのような観点を設定し、審議会に調査研究を行ってもらうか、ということです。

 当然のことですが、この「観点」に新教育基本法や新学習指導要領の内容、政府の公式見解等がきちんと盛り込まれていなければなりません。

 例えば、「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する」や「我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」という文言が教育基本法や学習指導要領には明記されているわけですが、これらのことが教科用図書に適切に記載されているかどうかを問う「観点」として設定されていないとなると、選定審議会として判断のしようがありません。

 その他にも、領土問題や拉致問題など、政府の公式に基づき正しく記載されているか否かの判断をしてもらうことが必要です。

 これらの観点が欠けているということになりますと、市町教育委員会が教科書採択の判断材料に使用する「調査研究資料」にも、教育基本法や学習指導要領、政府の公式見解が正しく反映されないことになります。

 日本の未来を担う子どもたちには、郷土や国を背負って活躍していただくことを願っています。そのためにも、県の役割として、適切な「観点」を設定することが求められます。

 4月 ~ 5月に県教科用図書選定審議会調査員会議が数回開催され、 6月上旬に選定審議会より県に答申(調査研究内容等)がなされます。そして県から各市町教育委員会に調査研究資料が送付され、 8月末までに各市町で教科書採択が行われる、という日程です。

 来年度は中学校における教科用図書の採択があります。

 県として正しい役割を果たせるように、注視していきたいと思っています。