2012/08/07
外国資本による森林買収への対応策について
近年、国内の土地が、つまり日本の国土が、中国をはじめとする外国資本に買収されています。
中国を例に挙げれば、水資源を確保することが目的と言われていますが、一方では、本当は水資源ではなく投資目的だ、という指摘や、それ以上の脅威を危惧する声もあがっています。
平成23年度末で、全国で786ha(1ha=10,000㎡=約3,300坪)もの森林買収が確認されています。隣の群馬県では44haという広大な森林が買収されました。本県では、判明しているもので県北の森林1haが買収されており、今後の不安は拭えません。
平成23年3月には栃木県議会において「外国資本による土地売買等に関する法整備を求める意見書」という意見書を採択しました。
本来であれば、国が外国資本による土地買収を規制する法整備をしなくてはなりません。外国人土地法という土地取得に制限をかける法律があるのに、政令の規定がないため運用されていない状況にあります。しかし、現実問題として、国で真剣に取り組む気がないのであれば、地方は地方としてできることに着手していくしかないと思います。
4月に改正された国の「森林法」では「事後の届出制」が規定されましたが、当然ながら効果は期待できず、現在、北海道の「北海道水資源の保全に関する条例」をはじめ、埼玉県、群馬県でも「事前の届出」を規定した条例が制定されています。
本県では、平成23年3月に庁内の「外国資本等による森林等買収に関する庁内連絡調整会議」という連絡調整会議が設置され、また県と26市町が連携した「外国資本等による森林買収に関する連絡協議会」という連絡協議会が設置されています。これらのことからすれば、県としても少なからず危機意識を持っていることの表れであろうと思います。それならば、他県のように具体的に条例を制定し、県の意思を示し、本県の森林を、日本の国土を守っていくべきではないかと考えます。
栃木県ではまだ事例が少ないとか、他県での条例制定効果を検証してから、というのではあまりに危機意識が低すぎると思います。早急に栃木県でも条例制定を行い、県内市町への意識付け、国に対する働きかけにつなげていかなくてはなりません。
<参考>中国による土地買収の現状
中国大使館用地として東京の南麻布の土地5,700㎡を取得。新潟市では15,000㎡、名古屋市では33,800㎡を領事館用地として取得しようとしている。
公館であるため、ここは治外法権となり、つまりは日本国内に中国の領土ができるということである。さらには、公館の場合、固定資産税、登録免許税は免除となる。
中国における土地取得は日本には認められておらず、これでは「相互主義」になっていない。アメリカはこの「相互主義」を貫き、在米の中国公館に土地所有を認めていない。