2009/07/27
衆議院の解散の陰で
衆議院が解散になりました。
ここ数ヶ月のメディアの報道も、いつ解散か? ということばかりを取り上げており、国民にとって、日本という国にとって大事なことは何なのかという問題を取り上げていないように感じていました。
政局ばかりでうんざりしている人も少なくないと思います。
ニュース等ではそれほど大きく問題視されませんでしたが、解散の陰で極めて残念なことがあります。それは、廃案となってしまった法案です。
いくつかを説明いたします。
「 貨物検査特別措置法案 」
国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議履行に合わせ、国連が禁輸品と指定する特定貨物を積載していると認めるに足りる相当な理由があるときに、北朝鮮に出入りする船舶などへの貨物検査をするための特別措置法案です。
すぐ隣にある国が、核実験やミサイル発射実験を繰り返し、拉致についても不誠実極まりない対応を繰り返している現実があり、しかも日本はその被害者であり国際社会に対し協力を訴えている立場にあるわけです。
国連安全保障理事会での北朝鮮制裁決議の採択・実施を働きかけた日本が、自国での法律も作れないようでは、国際社会からの信用が失墜します。今後、拉致問題の解決をはじめ協力を訴えかけても相手にしてもらえなくなるようなことになれば大変なことです。
「 障害者自立支援法改正案 」
この改正案は、利用者負担を旧来の応能負担 ( 実際の負担能力に応じた負担。収入のない障がい者には負担を求めない。 ) に戻す措置や、身体障害者もグループホームやケアホームを利用できるようにすること、発達障害者が障害者自立支援法によるサービスの対象であることの法律への明記、などを主な内容としたものでした。これが全てゼロになってしまい、成立までにまた長い時間がかかってしまいます。
また、障害者自立支援法改正案だけでなく、障害者虐待防止法案などの障害者関連の法律も、1度も審議することなく廃案になりました。
ウイルス性肝炎対策の支援法案も、解散が取りざたされるようになった昨年から、協議は事実上ストップし、提出から1年半、とうとう廃案となりました。こちらについては地元紙にも特集がありました。 「 国会で審議するのは当然なのに。 」 との関係者からのコメントも掲載されていました。命の問題なのに、審議拒否で廃案とは、命を軽視していると受け取られても仕方ありません。
この他にもたくさんの法案が廃案となりました。
審議拒否とは何事かと憤りを感じます。国家の存続のために、国民の平和と安全のために必要なものなら、与党も野党もなく、十分に審議をすべきではないでしょうか。地方議会の立場からしたら、職務放棄、怠慢と批判が集中することでしょう。残念でなりません。