政策提言・時事問題リポート

2008/03/01

ゴミの減量化問題について

環境問題がこれまでにないほどクローズアップされています。世界各地で見られる地球温暖化現象の実態をテレビ等を通じて目の当たりにすると、将来が不安になります。環境問題は他人事ではなく、私たち一人ひとりの問題であることを痛感します。

例えば二酸化炭素の排出状況を見ると、民生部門=家庭からの排出分が最も成績が良くない、つまり減らしにくいということが現れています。社会のルールを守って、私たちにできることからコツコツと取り組んでいくしかありません。

いわゆる『3R』に取り組んでいきましょう!!と言われて久しいものがあります。
この3Rについて少し説明いたしますと、3Rとは、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つのR(アール)の頭文字をとったもので、循環型社会を構築していくためのキーワードです。
1)リデュースReduce・・・減らすこと=ものを大切に使い、ゴミを減らすこと
2)リユースReuse・・・再使用すること=使えるものは繰り返し使うこと
3)リサイクルRecycle・・・再資源化すること=ゴミを資源として再び利用すること
となります。
例を挙げますと、最近普及してきたエコバッグで買い物をする、詰め替え用の製品を選ぶ、ゴミを正しく分別する、再生して作られた製品を利用する、といったことです。
しかも、この3Rは順番も大切と言われています。先ずは資源の消費を減らす、次に使えるものは何度も繰り返し使う、そして使えなくなったら原材料として再生利用する、という、上記1)、2)、3)の順番を意識してほしいということです。私もこれまで以上に、意識して取り組みたいと思っています。

足利市においては、ゴミ袋の有料化がいよいよ来月からスタートします。この事業については、市民の間からも不満の声が少なくないようで、私のところにもかなり厳しいご意見が寄せられます。
ゴミの少量化の意識啓発のほか、ゴミをきちんと分別して少なくする努力をしてくれている人と、構わずいくらでも出してしまう人が、同じ負担では不公平である、有料化により皆にゴミを少なくする努力をしてもらいたい、という意図があるのだと理解しています。

この考え方からすれば、有料化はやむを得ないと思います。
しかし、問題はその制度の内容です。金額が高い、安いということ以前に、私は2点ほど気になるところがあります。
1つ目は、世帯間の公平性です。例えば2人家族と5人家族では、消費量も違いますし、当然ながらゴミの排出量も違います。それが同じ枚数(10枚)が無料で配布されるのはいかがなものかと。
2つ目は、子育て世代間での不公平です。平成20年4月1日以降に出生届けがあった家庭には無料配布(100枚)となっていますが、この線の引き方には無理があるように感じます。オムツや離乳食など、2歳や3歳の子どももゴミは多くでるようです。少子化対策、子育て支援というのなら対象の拡大も必要でしょう。

調べたところ、先進的と感じる取り組みをしている自治体がありますので紹介します。
住民票を基に各世帯の人数を把握し、その人数に応じた「シール」を年度当初に各家庭に配布します。このシールを各自が購入したゴミ袋に貼り付けて、ゴミを出すことになります。例えば10リットルの袋には1枚、20リットルの袋には2枚というように、切手みたいな要領で使用します。初めに配布されるシールの枚数というのは、家庭でゴミ少量化の努力をしてくれれば1年間足りる枚数となっているようで、シールが足りなくなってしまったら新たに購入(有料)する、という制度になっています。
このような前例も参考にしながら、十分な議論をして公平で分かりやすい制度設計をしなくてはいけないと思いますし、説明責任を果たしていく必要があると思います。

導入を目前にし、コンビニエンスストアを経営している方からは、店舗前のゴミ箱に大量のゴミを持ち込まれてしまうのではないかと心配する声が聞かれますし、不法投棄も多発してしまうのではないかという声もあります。
市議会議員の先生方や市職員さんにも意見を申し上げたり、また情報をいただきながら、よりよい制度となるように努めていきたいと思います。