2006/12/22
後援会総決起大会でのあいさつ2
次に、もう一つのテーマである「教育」について、私の思っていることをお話いたします。
この4年間の議員活動を通じて、「教育」すなわち「人を育てること」の大切さをつくづく感じて参りました。
子どもは社会の宝であり、栃木県にとっても宝物です。
そもそも日本という国は資源に乏しいことから、これまで「人」を育てることで高い技術力を身につけ、現在の発展を遂げてきました。今後も国際社会の進展の中で生き抜いていくためには、「人を育てていくこと」は欠かすことが出来ない施策です。国を支えるのも、社会を支えるのも、会社を支えるのも「人」です。アメリカやイギリスをはじめとした先進諸国の多くが、この「教育」を国家の最重要課題・国家の命運を左右する未来への先行投資を位置づけていると聞きます。これは日本でも、そして栃木県でも同様に考えられ重視されるべき分野であると思います。
2期目に当選できましたら、この「教育」を大きなテーマに掲げて取り組んで行きたいと考えています。
1つ目に、「心の教育」を挙げます。
最近、礼儀正しさ、勤勉さ、思いやり、といった「日本人らしさ」が失われてきていると感じている人は少なくないと思います。いじめによる自殺や児童・高齢者虐待、そして親子で夫婦で兄弟で命を奪い合うといった耳を塞ぎたくなるような事件が続発しています。
お互いの命の尊さを認め合い、家族を愛し、友達を想い、郷土に誇りを持てる、そんな子どもたちを育てていかなくてはいけません。
そのためには、中長期的な視点に立って、先ずは「家庭教育」の現場から、そして「学校教育」の現場から取り組んでいく必要があります。
家庭においては、つまりは親への教育・相談・指導になります。家庭教育の重要性は、「親は子どもが生まれて初めて出会う教師である」とも言われていることからも伺えます。栃木県では「親学習プログラム」を作成し取り組んでいますが、実情を踏まえてこれに随時改良を加えながら、親への相談体制を強化していかなければなりません。加えて、専門相談員が新生児の家に対し全戸訪問事業を実行する、幼稚園や保育園など幼少期の親にもマニュアルを配布し協力を得る、幼小連携プログラムなど、栃木県独自の施策を実行していきます。
学校においては、何より教員の能力と努力が不可欠です。教員採用時から、ペーパーテストの点数で決めるのではなく、教育に対する情熱や志、しっかりとした職業観というものを持つ人を採用していかなければなりません。そして自らの能力向上に対する意欲を持ち続けてもらわなくては困ります。
2つ目に、「確かな学力」の向上を挙げます。
近年、学力の低下が懸念されており、最近は国で「ゆとり教育」の見直しが議論されています。
ここでいう「学力」とは、ただ単に勉強ができることだけではなく、自ら課題を見つけ、取り組み、解決する力や、生きる力も含まれています。
残念ながら、栃木県は決して学力が高い県とは言えません。例えば1つ指標として、大学入試センター試験の都道府県別受験者の平均点数が大手予備校により発表されています。東京、神奈川、大阪、奈良など上位にあり、隣の群馬県も上位に位置しています。栃木県は30番台という結果です。
このことは、最初に申し上げたとおり、企業誘致にも影響を及ぼします。つまり、栃木に出ようか群馬に出ようか迷ったときに、進学率が高いから群馬にしよう、といった判断が実際に起こっているということです。
私たちが暮らすここ足利は、日本最古の学校がある町です。学問の町として確立を図り、栃木県が自他共に認める教育先進県となるように、足利がリードしていきたいと思っています。
ここで、1つのアンケート結果をお知らせします。これは栃木県の小中学生を対象に行ったもので、質問に対し「そう思う」か「そう思わない」かで答えています。「勉強が好きか?」の問いに対し「そう思う」と答えた子どもは「そう思わない」と答えた子どもよりもテストの点数が高い。これは「勉強が好き」なくらいですから当然かもしれません。次に、「勉強は大切だと思うか?」の問いに対し、「そう思う」と答えた子どもは「そう思わない」と答えた子どもよりも点数が高い、更には、「学校が好きか?」の問いに対し、「そう思う」と答えた子どもは「そう思わない」と答えた子どもよりも点数が高い、といった結果が出ています。
「勉強が好き」にならないまでも、子どもたちが「勉強は大切だ」、「学校が好きだ」と思えるようにしていくことは、私たち大人の努力によって実現できることではないでしょうか。
「確かな学力」を身に付けていくことにも取り組んでいきます。
そして3つ目に、「子育て環境」の整備を挙げます。
ここでは、子どもが安心して安全に、そして健やかに育つ環境として、学校における安全確保策と登下校時や公園における安全確保策、小児医療の充実と医療費の補助、スポーツ・遊び・学びの情報と場所の提供など、幅広い分野に渡って取り組まなければなりません。
実は妻のお腹には新しい命が宿っています。日々命の大切さを感じ、幸福感に満たされています。これからは、親として、実際に子育てを体験・経験しながら、世間のお父さんお母さんと同じ立場で、自分が感じるところを施策に反映していけるよう努力していきたいと思っています。
子どもたちに対し、安心で安全で優れた教育環境を築き上げていくのは、私たち大人の責任であり、政治の果たすべき役割であることに間違いありません。
「心の教育」「学力の向上」「子育て支援」、これら3つを柱にして、「教育」の分野に取り組んでいきます。