2005/12/08
子どもの遊び場
足利市で暮らす若いお父さん、お母さんとのお話の中で、『足利市にも子どもの遊び場所が欲しい』という意見をよく耳にします。
これについては、2つの見方ができると思います。
先ず1つは、広域的な視野から判断し、足利市にも同じような施設は必要ないという見方です。その根拠は、このような施設がお隣の太田市にもある、佐野市にもあるのに、どうして足利市にも必要なのですか?ということです。つまり、現在の車社会において、近隣の市町村にある既存の施設を利用すれば不便はないでしょう、という意見です。
近隣には、太田市の『子どもの国』や館林の『県立美術館』など素晴らしい施設がある。足利市に住んでいる方がこれらの施設に行くのには、足利市内に造る施設に行くのと比べて時間的には変わらないのだから足利には必要ない、というこの考え方にも一理あるような気がします。
そして、もう1つは、やはり足利市にも欲しい、という意見です。太田市や佐野市など、隣の町にあって、自分たちの暮らす町にはどうしてないのか、という感情的な部分もあることでしょう。実際に、足利市内の幼稚園でも遠足で太田市や桐生市に行くということがあるようで、足利市にあればいいのに、という気持ちも十分に理解できます。
個人的には、同じような類のものではなく独自性のあるもの、足利市には足利市の特徴を生かしたものを造れれば無駄ではないと思っています。足利市の特徴といいますと、やはり自然ではないでしょうか。『緑と水と空気と歴史』が調和する美しい町と高く評価をされている町です。これらは人工的に造られたものではないですし、また造ることができないものです。足利市の自然を上手に生かした、子どもが遊べる施設ということになります。財政難の現在では足利市単独では実現が難しいことですが、県や国のサポートを受けて実現したい、という考えです。
余談ですが、特に太田市の『子どもの国』、館林市の『館林美術館』は群馬県立ですから、大きな予算をかけて出来上がった素晴らしい施設です。太田市や伊勢崎市など東毛地区に対する群馬県の取組姿勢には、うらやましく感じるところがあります。栃木県の、県南地区への取組姿勢とは若干違いがあるのでは、と感じています。
遊ぶ施設以外でも、例えば音楽ホールや演劇・能舞台なども、市町村をまたいで広域的に協議し、分担して、立派なものを造る。つまり、足利市には立派な音楽ホール、桐生市には能舞台、佐野市には…といった具合に、です。そして、この両毛地域に住む人たちが、相互に利用できるような仕組みがあれば素晴らしいと思います。文化的なレベルがとても高い地域として、きっと認められるでしょう。
合宿できるような設備、例えば、宿泊施設や宿泊者専用ホールなど、これらのものを整えれば、首都圏近郊からも利用者が集まってくるかもしれません。