2005/12/28
医療安全の推進
現在、連日のように「医療事故」「医療ミス」という言葉を耳にし、目にします。このような続発する医療事故を背景に、これから先、充実した医療環境というものは今まで以上に重要になってきます。
私が暮らす足利市は少子化・高齢化が進んでいます。市民の健康と命を守る医療ですから、これまで以上に、子ども向けの『小児医療』とお年寄り向けの『予防医療』を充実させていくことが求められています。そのためにも、子どももお年寄りも安心してかかれる病院が必要です。
足利市より少し県央へ向かいますと、自治医大病院や独協医大病院という立派な病院があります。そして、この2つの病院に、先進的な「子ども病院」が誕生します。この両毛地区にも同様の総合病院があったら、地域全体にとって素晴らしいことだと思います。
医療の分野においても、やはり独占というのは好ましくないのかもしれません。『病院経営の安定のために⇒患者数を増加させる』+『患者数を増加させるために⇒質の高い医療を提供する』という循環をつくれた結果、より地域の特性やニーズを反映した医療環境が創られるのではないでしょうか。例えば前橋市には群馬大学病院や済生会病院、日本赤十字病院など多くの総合病院があるため、地域全体で質の高い医療を提供していると聞きます。やはりこの両毛地区にも同じような環境が必要だと思います。
参考までに、医療事故による死亡者は、全国で年間2万6千人といわれております。これは交通事故による死亡者の3倍の数です。こんなにもたくさんの方々の命が奪われているという現状があります。これは大変なことです。私たちが暮らす地域においては、このようなひどい状態に陥っては絶対になりません。
近年、いろいろな分野で『第3者評価』ということが取り入れられています。医療の分野においても必要だと思います。
全国でも先進的な都道府県では、中央に「中央医療安全支援センター」を設置、さらに保健所ごとに『地域医療安全支援センター』を設置しています。ここには医療に関する様々な相談、苦情、要望などが寄せられます。そして、これらのセンターには『評議会』が設けられ、住民から寄せられた苦情や相談を定期的に収集・分析します。場合によっては、病院側に対し、改善を求めるなど勧告もします。
先進県では、この評議会の委員に医療関係者や有識者としての弁護士だけでなく、行政関係者や住民代表が含まれています。中には報道関係者を委員に加えているところもあります。これは情報の透明性を確保するためでしょう。とてもすばらしい取り組みだと思います。
我が栃木県においても、これらの先進県を見ならい、早急に体制を整備してもらえるよう、定例議会の一般質問の中で強く要望しました。実現に向け、粘り強く努力していきます。