政策提言・時事問題リポート

2004/11/17

海と空の玄関口を

私たちの暮らす地域にとって、とても大きな意味を持つ道路『北関東自動車道』の建設が進められています。また少し先送りになってしまいましたが、平成21年頃には全線開通となる見込みだそうです。一日も早い完成、全線開通が望まれます。
南北の大動脈として、栃木県には東北自動車道が、群馬県には関越自動車道が、茨城県には常磐自動車道が走っています。これらを横断してくれるわけですから、まさに夢のような道路です。
私が住む栃木県には、素晴らしい自然、豊かな温泉、イチゴを始めとする美味しい食べ物、日光や足利などの歴史遺産、観光名所などなど、数え上げたらキリがないほどの魅力があります。そして、どれも本物志向だと言われています。
今現在では、宇都宮市や田沼町、足利フラワーパークと東京を直結している『ハトバス』にも、新たな観光ルートを提案し、もう少し県内に滞在する時間を増やしてくれるよう働きかけていく、といった取組みも必要であると思います。採れたてのトマトを食べる、おいしい牛肉を食べる、といったことを組み合わせた『農業観光』などの工夫も考えられます。きっと満足していただける、本物ばかりです。
一方で、残念ながら私たちの地域に無いもの、それは『港』と『空港』です。『海の玄関口』、『空の玄関口』が無いのです。これは地理的条件からも仕方ないことではあります。
先に述べた北関東自動車道の開通に伴い、加えて茨城の港は横浜より水深が深いというメリットからも、今よりもずっとニーズが高まり、大型の貨物船が多く来るようになることが考えられます。そうすると、物流の拠点整備が必要になります。
そこで、北関東自動車道と東北自動車道が交わる佐野の近辺に、物流センターを建設する、という構想があります。北関東自動車道の完成により、私たちの地域も新しい『港=海の玄関口』を手に入れることができます。
また、現在、成田空港や羽田空港では、国際貨物便が満杯の状況で、受け入れを拒否している便も多数あります。そこで首都圏に近い場所に貨物便用の空港を整備したいという構想があるそうです。
もちろん、騒音や自然環境の維持といった様々な課題があることも事実です。しかし、例えば、北関東自動車道と東北自動車道のアクセスが良好な栃木県南部地域にこの空港ができたら、約42,000人もの従業員がこの地域にやってきます。当然ながら地元からの採用もあることでしょう。これほどたくさんの人々が暮らすようになれば、家も建てる、物も買う、食事もする、つまり多くの新たな消費が生まれることになります。また、海外への農産物の輸出も大きく促進されるでしょう。
まだまだクリアしていかねばならない課題もたくさんあると思いますが、検討する価値のある事業だと思います。
このような、夢のある話も、大いに議論していくことも楽しいのではないでしょうか。