2004/07/14
参院選の結果を受けて
参議院選挙が終わりました。結果としては、民主党が議席を増やし、自民党と拮抗する様相を呈してきました。栃木県内を見ても、自民党候補が当選はしたものの、民主党候補の後塵を拝する結果となりました。少し残念に思うのは、その議員の通常の政治活動がそれほど評価されていない点です。
自民党の矢野候補は外務副大臣時代に、テロ組織や核兵器など世界秩序が不安定な時代の中、日本の代表として、アジア・アフリカを中心に国連加盟国を40カ国以上を訪問し、世界の秩序の維持を図るために精力的に活動をしてきました。これは国会議員として誇るべき活躍だと思います。また、栃木県の中小零細企業を守るために、足利銀行破たん問題について、国会において竹中大臣や監査法人を相手に、顔から火が出るような勢いで熱い質問を繰り返しました。
私は地元議員の一人としても、これらの活動を高く評価し、また心強く感じます。
しかし、地元にあまり顔を出さないなどの批判を受けることもありました。毎週1回街頭演説を行っている民主党候補の方が身近に感じられるのでしょうか。矢野候補は2位という選挙結果になりました。この結果を見て、有権者の心をつかむのは難しいと感じ、また、自らの活動や考えを説明・報告することは大切だと思いました。
さらには、メディアの影響力の大きさを改めて痛感しました。例えば、投票日の数日前、九州のある県における選挙戦を大々的に取り上げ、野党の新人候補は年金問題を訴え、与党の現職候補は公共事業を訴える、そんな姿を報道しました。おそらく、この与党候補だって年金問題には触れているはずです。しかし報道はしない。むしろ、年金問題を避けている与党・自民党というイメージを植え付けたい、というような意図を感じました。
事実を、正しく、迅速に伝えること、これがマスコミの大きな使命であると思います。世論を誘導することではなく、公正な情報を伝えることです。新聞の『見出し』などには顕著に表れます。こういったことに着目し、意識しながらマスコミからの情報を消化していただきたいと思います。
何事においてもそうですが、『言うは安し、行うは難し』です。批判するのは簡単ですが、実際にリスクと責任を背負いながら実行していくのは大変なことです。年金制度改革など大切な事柄については、野党はただ与党を批判することなく、また選挙の道具として利用するようなことはしないで、3党合意に基き議論を深めていって欲しいと思います。